業者の「思うつぼ」にならないため
中古市場で気をつけるべきこと

 新築市場と違って、中古市場には業界の商慣習が色濃く影を落とす。これまでの物件売買は業者の「思うつぼ」で取引されてきた経緯がある。その最たるものが、「両手取引」と呼ばれるものだ。しかし、業界の慣習自体を知って、個人がそれをうまく使いこなせるようになると、立場は逆転する。要は、買いたい人は欲しい物件を購入し、売りたい人は相場よりも高く売却できれば、個人の満足度が上がることはすでにわかっている。

 ここで最も大事なのは、業界の商慣習の知識だ。これを知ると業者の「思うつぼ」にならないことになる。筆者が運営する「沖レク」という無料の動画レクチャーでも、詳しく解説している。これは、1動画を3分程度に細分化し、体系化して視聴できるようにしている。

 たとえば、売却を依頼するときに、業者を3社呼んで査定してもらったとする。査定結果はA社7000万円、B社6500万円、C社6000万円とすると、A社に一番頼みたいと思うことは理解できる。しかし、ほぼ同じデータを見ているのに、これだけ差が付くのは何かおかしいと思わないだろうか。

 実は、A社は1社独占の契約を取りたいがために高値を言っているだけで、この値段では買い手がつかないことが多い。売る側にも都合があるので、長期化すると物件としては相場価格でも売れなくなってくる。その結果、切羽詰ると相場よりもはるかに安い価格で買い取り業者に買わせる。そうなると、1取引で6%が仲介手数料で入るからだ。

 それだけではない。買い取り業者が新たに売りに出すことで、相場価格で売る際にも仲介を強要し、また6%の計12%を取られかねない。このように、個人顧客を喰いものにするために不動産業者は嘘をつきまくる。自分の売上都合のためには何でもすると思った方がいい。そうした人々に騙されないためには、「手口」を知ることことが重要になのである。まずは理論武装から始めよう。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)