「企画プレゼンが通らない」「営業先の反応が弱い」「プレゼン資料の作成に時間がかかる…」など、プレゼンに関する悩みは尽きません。そんなビジネスパーソンの悩みに応えて、累計20万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』シリーズの最新刊『プレゼン資料のデザイン図鑑』が発売になりました。この連載では、同書のコンテンツを紹介しながら、著者・前田鎌利氏がソフトバンク在籍時に孫正義社長から何度も「一発OK」を勝ち取り、ソフトバンク、ヤフーをはじめ約600社に採用された「最強のプレゼン資料作成術」のエッセンスをお伝えします。

 早速ですが、この約25秒の動画をご覧ください(お急ぎの方は、この動画だけご覧いただいてもポイントを把握いただけます)。

 いかがでしょうか?

 改めて、ビフォー・スライドを見てみましょう。

 このスライドは、ユーザー・アンケートの結果をもとに、「購入層の51%(過半数)が30代」であることを訴えるスライドです。非常にシンプルな内容なのですが、見た瞬間にパッと理解できるスライドにはなっていません。

 ひとつずつ、改善点を見ていきましょう。

 まず、円グラフの並び順に問題があります。「10代 3%」「20代 12%」「30代 51%」「40代 26%」「50代 8%」という順番に並んでいますが、このスライドで訴えたいポイントは「30代 51%」ですので、これをトップに置き、そのあと「40代 26%」「20代 12%」「50代 8%」「10代 3%」と多い順に並べるとわかりやすくなります(下図参照)。

 次に、凡例をカットするとともに、相手に印象づけたい「30代 51%」のみをワンカラーにして、その他をグレーアウトします。

 プレゼン資料では、基本的に凡例は不要です。円グラフと凡例表記を見比べる手間がかかるため、グラフの内容を理解するのに時間と労力がかかるからです。下図のように、グラフ上に凡例情報を記載すれば、見た瞬間にグラフの内容を理解してもらうことができます。

   また、「ワンカラー効果」で、このスライドで何を伝えようとしているのかが、より明確になります。さらに、グラフ内の数字を大きく表示します。最も見せたい「51%」という数字を最大にするとともに、白抜きにして目立たせます。

 最後に、キーメッセージを修正します。

 グラフで「51%」という数字を大きく表示していますから、キーメッセージでも「購入層の51%が30代」と「51%」を表記する必要はありません。同じことを表現する「ダブルワード」はもったいないので、避けるようにしてください。ここでは、「購入層30代過半数占める」というキーメッセージにしました。

 また、キーメッセージで最も重要な「30代」の部分を大きく表示するとともに、円グラフのワンカラーと同じ色にします。こうすることで、見た瞬間に「30代 51%」と理解してもらうことができるのです。

 これで、わかりやすいスライドが完成。このように、円グラフに一手間かけることで、格段とわかりやすいスライドにすることができます。ぜひ、このケースを参考に、みなさんのスライドをブラッシュアップしていただきたいと願っています。

前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業社、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。