ハワイをベースにノマドライフを実践する本田直之が、幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合った。北欧の人たちの答えの中には、ある共通の“パターン”があった。今回は「新しい幸せの条件」について考えてみる。(写真/小原孝博)

「新しい幸せの条件」とは?

本田 直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。 著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。 著書は累計200万部を突破し、 韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。

 私がふだんハワイで暮らしたり、毎年訪れているニュージーランドやオーストラリアで感じていたこと、北欧でのインタビューで見えてきたこと……。そこには、ある共通の“パターン”がありました。

 これから目指すべき「新しい幸せの条件」とは、いったいどんなものなのか、を考えてみたいと思います。

 まず第一には、やはり「仕事が楽しい」こと。給料が高いとか低いとか、そういうレベルの話ではなくて、自分が楽しいと思って仕事をしているか、チャレンジングな仕事ができているか、成長を感じられているか、満足できているかということです。『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』でも書いたのですが、「仕事と遊びの一体化」という話につながることでもあります。

 次に「いい仲間、いい家族がいる」かどうか。仕事は楽しい、でもそれだけで家族も仲間もいません、というのは悲しい話で、これもまた幸せからは離れてしまうでしょう。

 当然、「経済的に安定している」というのも大事です。なにもすごい資産とか、たくさん収入がなければいけないというのではありません。あくまで自分が安定できているな、というレベルでOK。モノを減らしてシンプルに生きるとはいっても、ある程度を賄える経済的な安定がなければ、いくら仕事や趣味が充実していたとしてもつらくなってしまいます。

 また、金額が多い少ないということよりも、もっと重要なのが、その「使い方」。収入と支出のバランスがとれていない人は、お金の使い方をコントロールできていない可能性が大きいのです。自分にとっての幸せなライフスタイルを見つけられていないと言ってもいいかもしれません。