ロシアのウラジーミル・プーチン大統領には、正当な評価を与えるべきだろう。それは、弱い手札でどう戦うかを知っている男だという評価だ。プーチン氏は比較的少ない投資によって、西半球での足掛かりを拡大している。ベネズエラでは独裁者を支持することで、膨大な石油・ウラニウム資源へのアクセスを得る可能性がある。中東での活動基盤も比較的少ない投資で拡大してきた。シリアの独裁者を支援し、トルコに高性能のロシア製兵器の提供を持ちかけるという方法でだ。トルコでは、この戦略が実際に利益につながっている。そして、同じく比較的少ない投資によって、いつの日か有用になるかもしれない交渉の切り札を維持している。注意散漫になっている国際社会からほとんど気付かれることなく、ロシアによるウクライナ東部占拠に抵抗する勢力との静かな戦争を継続しているのだ。