中国人民元が6日に急落したことで、暗いニュースがあと2〜3件も出れば、中国政府が死守しようとしている1ドル=7元の防衛ラインが決壊するというところまできた。遅かれ早かれ、同国政府はその水準を下回った人民元に対処せざるを得なくなるだろう。人民元にとってこの3カ月間はそれほど悪くなかった。中国の政策立案者は、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者によるハト派的発言を受けた国債市場の値動きにも助けられてきた。中国国債10年物の利回りが年初来で上昇している一方で米国債の利回りは低下していることもあり、人民元の下げ圧力はある程度和らいできた。2018年は中国にとって暗いニュースばかりだったが、予定されていた関税引き上げが12月に延期されると状況は劇的に改善され、その後の米中貿易協議に関する比較的明るいニュースも人民元の追い風となっていた。ところが、先週末のトランプ大統領の方針転換で状況は一変した。