Photo by Izuru Kato
先日、米ニューヨークで百貨店のメーシーズの本店をのぞいてみたところ、正面入り口から1階全体にかけて「パラダイスへの旅」というイベントが催されていた(写真)。
他の惑星への旅をイメージさせるSF映画的な多数のオブジェが、花と一緒に華やかに飾られていた。いかにも「インスタ映え」するデコレーションであり、家族連れが写真をたくさん撮っていた。
百貨店も近年はインターネット販売に力を入れているが、とはいえ彼らの売り上げの中心は店舗にある。しかし、筆者の友人は「妻はもう何年もデパートに行ってない。服はいつもインターネットで買っている」と語っていた。
それは今や一般的な話だ。そんな人たちを少しでも店舗に呼び戻すため、百貨店はお祭り騒ぎを頻繁に実施するなど必死なのだ。Eコマース(電子商取引)とリアル店舗の競争がそこまで激烈だと、モノの価格は上昇しにくい。
また、サービスの価格にもデジタル革命の影響が表れている。ジョン・F・ケネディ国際空港からマンハッタンまでのタクシー固定料金は、1990年では30ドル。その後の5年ごとの変化を見ると、2004年は35ドル(+17%)、09年は45ドル(+29%)、14年は52ドル(+16%)と上昇してきた。