内閣府は、6月6日、子ども・若者育成支援推進法に基づく法定白書である2011年度「子ども・若者白書」を公表すると共に、国会に提出した。これは、1956年に刊行された「青少年白書」を引き継いだものであり、わが国の子ども・若者(0~29歳)の状況を網羅的に記述したものである。私たちの未来であるわが国の子ども・若者は、現在、どのような状況に置かれているのだろうか。今回は、「子ども・若者白書」を紐解いてみたい。
子どもの体格は横ばい
体力は低水準、学力は改善傾向
わが国の総人口に占める子ども・若者の割合は、2011年10月1日現在で、28.5%と、過去最低水準となった。50%を割り込んだのは1974年であったので、この約35年間で少子高齢化が相当進んだことになる。
平均初婚年齢も、夫が30.5歳、妻が28.8歳(いずれも2010年)と、過去最高齢を記録した。因みに、1950年は夫が25.9歳、妻が23.0歳であったので、この60年間で各々5歳ほど、初婚年齢が上昇したことになる。
一方、乳児死亡率は2.3パーミル(2010年)と世界有数の低率国となっている(1985年時点では、5.5パーミルであった)。
大学(短大を含む)進学率は2005年に初めて50%を超え、2011年は56.7%となった。
子どもの体格は、ここ10年ほど、ほぼ横ばい傾向が続いている(14歳男子の身長・体重は、2011年が165.1cm・54.2kg、2001年が165.5cm・55.5kg。14歳女子は2011年が156.6cm・49.9kg、2001年が156.8cm・50.9kg)。また、子どもの体力(走・投)は、体力水準が高かった1985年に比べると、依然として低水準にとどまっている。
子どもの学力は、OECD生徒の学習到達度調査(PISA2009年)では、各リテラシー(読解力・数学・科学)とも、前回調査(2006年)に比べ、成績の下位層が減少し、上位層が増加しており、読解力を中心に、わが国の生徒の学力は向上傾向にあると見られている。