世界を「支配」し、既存の産業・企業を「破壊」するGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとしたエクセレントカンパニーたち。今さら聞けない彼らの強さの秘密を決算書で暴く!『週刊ダイヤモンド』5月18日号の第1特集「GAFAでわかる決算書入門」は、そんなコンセプトを掲げています。あなたの仕事に生きる、世界最先端のビジネスモデルを読み解く旅に出ましょう。

ライドシェアのユニコーン
ウーバーの壮大な「野望」

ユニコーン
Photo:Jackie Bale/gettyimages

「ウーバーの収益の潜在力はものすごい。彼らの『野望』は実に壮大です」

 世界有数の「ユニコーン」(企業価値の評価額が10億ドル以上の未上場企業)に日本から投資可能なファンド事業を運営する、HiJoJoパートナーズのスピリドン・メンザスCEO(最高経営責任者)はそう話す。

 冒頭の「ウーバー」とは、正確には米国で約10年前に創業したウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)というスタートアップ企業のこと。スマートフォンのアプリを活用したタクシー配車や食事宅配など「ライドシェアリング」と呼ばれるサービスを手掛け、日本でも認知度が高まりつつある。今や世界70ヵ国以上で事業展開し、5月10日に米国でIPO(新規上場)を果たした。

 同社への成長期待は高く、5月9日、ウーバーはIPO時の公募・売り出し価格(公開価格)を1株当たり45ドルに設定したと発表。これを時価総額に換算すると、約820億ドル(約9兆円、完全希薄化ベース)となり、これは日本企業と比べた場合、トヨタ自動車(約22兆円)、ソフトバンクグループ(約13兆円)に次ぐ3番手のNTTに匹敵するほどの大きさだ。

 それほど市場で評価される企業なら、さぞ巨大な利益を生み出しているのだろうと思いきや、実は全くの逆。研究開発費をはじめとした先行投資の費用がかさみ、年によっては売上高を超えるほど莫大な営業赤字を垂れ流しているのが実情なのだ(図参照)。

 それでも投資家の期待値が高いのは、将来的にこの収益構造が一変する潜在力を秘めているからに他ならない。