希望した職種と違う!新人に「やりたい仕事病」が蔓延する理由
新人が入社して早々に「自分が希望するものと違う」「やりたい仕事と違う」と言ってくることはないだろうか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新人が現場に配属されてしばらくすると、様々なトラブルが続出する。その典型の1つが、やりたいことと現実の業務とのギャップへの不満だ。人手不足といわれる中、せっかく採用した新人がすぐに辞めてしまうのは企業にとって大きな痛手だ。同じ失敗を繰り返さないようにするにはどうしたらいいだろうか?(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

「希望した職種と違う」と言って
異動を訴える新人

 電子機器メーカーの経営者Aさんは、B課長から今年の新人Cさんに関する相談を受けた時、「またか…」と思うと同時に、昨年入社して2ヵ月で辞めたDさんやEさんのことが脳裏をよぎった。

 昨年の今頃、A社長は新人のDさんとEさんの2人が早くも異動を希望していると聞き、個別面談をしたのだった。今思えば、その時の対処が良くなかった。なぜなら時代の流れを考えずに、かつてのやり方を踏襲してしまったからである。その時のやりとりは、次のようなものだった。

(1)Dさんの場合
A社長「何かあったかな?」
Dさん「もう、我慢できません」
A社長「どうした?何がそんなに不満なのかね?」
Dさん「僕は、こんな仕事をするために、この会社に入ったんじゃありません」
A社長「こんな仕事って、そんな理不尽なことをやらされているのか?」
Dさん「僕はマーケティングを希望していました。それなのに、なぜ営業なんですか?」
A社長「ああ、そういうこと。将来はマーケティングをやりたいわけね」
Dさん「あの…将来ではなくて、今すぐマーケティングに異動させてもらえませんか」