経営で最も重要なのは
一貫した施策を行うこと

 労働の対価である給与や賞与や表彰金がある一方、労働しないことの対価である有給休暇取得の奨励金があることが矛盾している。そのことが、生産性を上げて業績向上に貢献する社員から見ると、施策の目的の不一致という状態を生むのではないだろうか。

 要は、仕事をして労働の対価を得た方がよいのか、労働しない対価を得た方がよいのか、という矛盾が生ずるということを言いたいのだ。

 人事施策にとって最も重要なことは、他の施策と方向性が一致しているかどうかに尽きると私は考えている。多くの企業で見られるケースだが、営業部は成果をあげる施策を社員に課す一方、人事部は残業削減のための施策を、経理部は経費削減の施策を同じ社員に課す。成果をあげろと言いつつ、残業や使う経費は減らせと要求しているわけで、これでは社員を混乱させた揚げ句、どの施策も効果を生み出さないという結果になりがちだ。それと同じことになるのではないだろうか。

 このように申し上げると、あくまで奨励金なんだし、他にも資格取得や社長賞などの奨励金はあるわけだから、あまり難しく考えなくても…という反応が返ってくる。

 しかし、この有給休暇3日以上連続して取得して得られる3万円と同じ金額を、仮に賞与で獲得するとすれば、どれほどの時間と労力が必要だろうか。それに対して、わずか3日間休むことで奨励金を得られるというのは、努力の程度がまったく違う。資格取得のために相当程度の期間努力したり、社長賞を獲得するための他に類を見ない取り組みをすることと、3日連続で休むということとは、到底、釣り合うとは思えないのだ。