フィジビリによって、得られた効果は正しかったものの、「抑止効果」は完全に想定外のものだった。佐野室長も「やってみなければわからないことは、やっぱりある」という思いをさらに強くしたという。

 今後はチャイムの常設に加え、「ボタンを押さなくても自動的に混雑状況を個室利用者に通知できる仕組み」でさらなる待ち時間改善ができるのか、フィジビリを検討中だ。

危機的状況にある日本の総務部
リクルートが証明した「総務の価値」

 ここまで見てきたように、リクルートの総務チームは「業務環境における従業員の“不”の解消」をミッションと定義し、実際に行動している。これは彼らが策定した「総務の3ヵ年計画」のアウトプットの一部なのだという。

 そもそも総務部が「3ヵ年計画」を策定しているという事例も珍しいが、総務の仕事が人や組織の生産性や創造性の向上に寄与し、事業競争優位性を高めることに貢献しうることを、リクルート総務チームは実際の行動で示している。

「もちろん、今は道半ばでありますが、引き続き総務の価値を進化・向上させ、総務で働く人たちの成長感や達成感が高まっていくよう、今後もチームで頑張っていきたい」(佐野室長)

 単に会社の事業をサポートするだけでは、AIやロボットに取って代わられてしまう危機的状況にある日本の総務部。佐野室長とリクルート総務チームの挑戦は、多くの日本の総務部の「希望の星」に違いない。

(ライター 相馬留美)