リクルートのオフィスで起きていた「エレベーター渋滞」を実にアナログな方法で改善させた株式会社リクルートの佐野敦司・総務統括室室長と総務チームの面々(参照:「エレベーター渋滞」を改善したリクルートの超アナログな方法」)。次に佐野室長率いる総務チームが取り組んだのは、多くの会社で悩みの種になっている「会議室不足」の解消だった。
「会議室の予約が取れない!」
リクルート総務部が立ち上がった
総務の仕事は幅広い。前回は「エレベーター渋滞」の問題を取り扱ったが、最近どの会社でもよくある悩みの1つが「ワークスペースの問題」だ。
フレックスタイム制を取り入れて出社時間をずらしたり、リモートワークを導入したりすることで、常に社内で仕事をしている人の数が減り、オフィスには現在の社員の働き方に合った合理的なレイアウトが求められている。こうした変化に対応するのも、総務の仕事だろう。
その一環で、株式会社リクルートの総務チームで議論の俎上にのせられたのが、「会議室不足」の問題だった。
リクルートホールディングスとリクルートの経営サポートスタッフが勤務する東京・八重洲のグラントウキョウサウスタワー。そのオフィスがある同タワー40階の会議室は、これまで12人部屋が3室、8人部屋が2室、7人部屋1室、6人部屋が5室、4人部屋が4室、2人部屋が1室の構成だった。会議室は十分な数と広さを備えているように思えるが、いつも満室で、なかなか予約が取れないという社員の不満も多かった。
会議室は必要なスペースではあるものの、もし仮に定員いっぱいに部屋が使われていなければ、デッドスペースが生まれていることになる。
総務チームは「現在の会議室の構成や各部屋の定員は、適正ではないのではないか」と仮説を立てた。そしてそれを、とことん考えるために、実証実験を行おうと考えた。
しかし、定員が埋まっているかどうかを把握するのは、意外と大変な作業だった。