……そうか、ラリーが大富豪になったこともそうだし、相手を大切にして『人のためにお金を使い続ける』ことをしてきた兄貴が、ウルトラ大富豪になっていることこそが、そのまんま、「証拠」なんだ。

 兄貴だって、10~20代は、ずっと貧乏だったけれど、ずっと「人のためにお金を使い続ける」ことをやり続けていたから、神様は必ず見ていて、「最終的には帳尻をあわせてくれる」んだ。そう思うと、僕は、自分自身だって、「お礼」ができていなかったことを思い起こした。

「兄貴、よく考えてみたら、僕だって、先輩にお礼を言ってなかったことも、けっこう、ありました。相手から借りたお金はカンタンに忘れてしまうけれど、相手に貸したお金は絶対に忘れないのと一緒ですね。反省します」

「オレかて昔は、お礼を言わなかったことだってあったんや。誰だってミスの1つや2つや3つや100くらいの心当たりは、あんねんて。そんなんは、誰だってあるんや。せやから、大切なんはな……」
「はい…」

「『お互い様』という気持ちなんやて。人間だから、みんなミスすることって、あるわけやろ。せやからそんなん『お互い様』やて。『自分がミスすることもあれば相手がミスすることもある』ということなんや。わかりますか?人間は『鏡』なんやて。どちらか一方がずっと悪いとか、どちらか一方がずっと正しいとか、そういう状況はないんや。だから本当に『お互い様』なんやて。でも、だからといって、反省してずっと立ち止まっているのではなく、そこから、少しずつ成長してけばええんやて」
「はい」

「せやから、いちいち『後輩がお礼を言わなかった』くらいで、腹を立てとる場合ではないんや。それは、誰にでもあって『お互い様』なんやから、腹を立てずに、自分が少しずつ成長して、『人のためにお金を使い続ける』ことをしていたら、3年とか、5年とかもすれば、きっと返ってきよるよ。ようするにや……」
「はい…」

「『神様貯金』だと思っていればええんやて。どっかから、誰かから、いつか返ってくる貯金だと思って、後輩にボーボーおごってやればええねんて。それでな、やると決めたら、ボーボーやるんや。するとボーボー返ってきよるから。それで、気がついたら、大富豪やねんて、ガハハハハッ!」

 兄貴は、高らかに笑った。

「あのな、いっちゃん。鮭(しゃけ)と一緒やねんて。『鮭の稚魚(ちぎょ)』をな、お金かけて育てて、それを川にパーンと放流するやろ。あれ、どこ行くかわからんけれどな、心配せんでも、海に出て4~5年で大きくなってな、卵を抱えてボーボー返ってきよるんやて。そんなの、川の前で、いつ戻ってくるか、ずっと待っていたら大変やろ。心配せんでも、自分がやったことはな、いつか、必ず返ってきよるんやて」

 兄貴は、左右を見回すと、「せやろ?」と言って、ニッと笑った。

【兄貴の教え 2】相手のために、お金を使い続ける

(【第3話】「童心」につづく)

※次回配信予定は6月27日(水)です。

※【参考資料】「四国新聞」2007年1月14日号/TV「奇跡体験!アンビリバボー(フジテレビ)/KMBC-TV/ウィキペディア


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『大富豪アニキの教え』
バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキ、初出版!
「やばいで、オレ、人生を変える、とんでもない秘密を、バラしてもうた」(byアニキ)。
本書は、99%実話の物語(ストーリー)。年収295万円、31歳ダメサラリーマンの鈴木一郎(いっちゃん)が、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキに出会い、【25の教え】をこうて、人生の大逆転をはかる物語。

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