中国ハイテク業界のスーパースターが、悲惨な1年を経て、戻ってきた。中国ネットサービス大手テンセントホールディングスが15日発表した1-3月期(第1四半期)決算は特段、勇気づけられるような内容ではなかった。売上高は前年同期比16%増と、2004年の香港市場上場以来の低い伸び。営業利益は20%増え、市場予想を上回った。だが、利益を押し上げたのは、110億元(約1700億円)に上る投資の一時的な評価益で、中核のゲームやソーシャルメディア事業といった本業によるものではない。時価総額が4500億ドル(49兆3000億円)余りに上るテンセントは昨年、当局が3〜12月の9カ月間にわりゲームの承認を凍結したことで、大きな打撃を受けた。世界最大のゲームパブリッシャーであるテンセントは、2018年売上高の半分近く、おそらく利益の大部分もこの分野で稼ぎ出している。中国では、ゲームで収益を上げるには、すべて当局から承認を得る必要がある。ゲーム事業の収益の柱となるのは、ゲーム内コインや武器、衣服など仮想アイテムの販売だが、テンセントの同事業は1-3月期に前年比2%の減収となり、まだ復活を果たせていない。
テンセントに希望の光、中国当局と「和平協定」
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