この季節、新入生や社会人となり、家を出て一人暮らしを始めた人も多いだろう。新しい生活は楽しみな半面、知らない街での生活で真っ先に心配すべきなのが防犯面だ。そこで一人暮らしの多い東京都内で、危険なエリア、安全なエリアはどこなのかを一般社団法人・全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構の理事を務める防犯アドバイザーの京師美佳氏に解説してもらった。(清談社 ますだポム子)
「田舎は危ない」は大間違い
実は都会の方が危険
いまだ収束を見せないNGT48の暴行事件では、3月21日に第三者委員会の調査報告書が発表された。報告書では「都市部が狭く、公共交通機関が発達していない新潟の地域性が、アイドルとファンの一定の距離を保ちづらくさせていた」とされていた。端的に言えば「田舎は危ない」と、事件が起きたのを土地のせいにしたわけだ。
しかし、現実は必ずしもそうではない。「田舎よりも、利便性の高い都会の方が安全性は落ちます」と語るのは、防犯アドバイザーの京師美佳氏だ。
「都会は人混みに紛れやすいので犯罪者も潜伏しやすい。他人への関心も低いことから、たとえマンションの周りをウロウロしている人がいたとしても、近所の人なのか、はたまた不審者なのか、あまり興味を持たない人が多いんです。さらに人が多ければお店も多く、繁華街では暴行事件なども多くなります」
また、店が多い場所は、それだけ働き手も多い。深夜まで営業しているコンビニや居酒屋には外国人店員が増えている。外国人在留者の増加がそのまま犯罪に直結するわけではないが、治安悪化の危険性は高まることになる。
「外国人が乱暴という短絡的な話ではなく、やはり文化や考え方、感覚が違うところがありますからね。そういった違いから起こるトラブルも含めて懸念されます」