実際、英語圏ではよりマスメディアでのAI導入が進んでいます。ウォールストリート・ジャーナル、ロイター通信など大手各社は「1日に配信するコンテンツの25%にAIを使った自動化技術を取り入れている」と公表しました。ロイター通信の場合、AIによる1本の記事の作成時間は10~30秒。複数のデータを照合するため、通常の短信記事よりも時間がかかるとされていますが、ある程度の経験を積んだ新聞記者が同じ記事を作成する場合、過去データの確認に数十分を要します。

 現時点では、株価や決算情報を中心とした経済ニュースやスポーツの結果を伝える速報記事での活用が中心ですが、決して人の手を離れることはないと思われていた新聞記者の仕事さえもAIに置き換わってきているのです。

 また、2013年に発表されたオックスフォード大学のフレイ&オズボーンの研究レポートは、「9割の仕事が将来、機械により代替される」とし、2015年の野村総合研究所によるレポートは「今後15年程度で現状の労働人口にすると49%分の仕事がなくなる」と発表。15年という具体的な期日が示されたことで、日本でも「AIに仕事が奪われる論」が盛んに報じられるようになりました。

 株価の変動や決算速報、スポーツニュースの記事作成が自動化されているように、長距離の運送、事務処理、翻訳といった定型的な作業から確実に人の手から離れていくでしょう。その後、さらに多くの仕事がAIに取って代わられる可能性があります。この先、5年、10年、15年と働き続けるのであれば、そんな仕事にまつわる環境の変化に対処していく必要があります。

今取り組んでいることを「作業」と捉えるか、「仕事」と捉えるか

 ではこの先、AIに代替されない仕事とはどんなものでしょうか。そのキーワードの1つがオリジナリティだと考えています。人間にしか作り出せないオリジナリティを、いかに身に付けていくか。重要なのは、これまでの経験に胡座をかかず、この先の仕事の変化を見据えて、ゼロベースで自分のやり方を見直すことです。