1~3月期GDPは「出来過ぎ」
「景気後退」の議論は続くが
マイナス成長が予想されていた1~3月期の実質GDPは、前期比年率+2.1%と予想外に大きなプラス成長となった。
今回のGDP統計が注目を集めたのは、景気後退かどうかの判断が分かれているからだ。
背景にはGDPに先立って公表された3月の景気動向指数で、基調判断が6年2ヵ月ぶりに「悪化」に引き下げられたことがある。
確かに、一致指数を見ると、昨年10月をピークにはっきりと下落傾向にある。そのうえ、日本全体の景気動向を表す実質GDPまでマイナス成長になれば、景気後退判断をサポートする有力な根拠になる。
今年1月に達成したとされる「戦後最長の景気拡大」も幻になるところだった。こうした景気後退懸念にストップをかけたという点で、1~3月期のGDP統計は大きな意味を持つ。
しかし、出来すぎの感も否めない。