その企業は「若い社員が嫉妬心を持ち、同期を“ライバル”と捉える環境をあえてつくっていた」とKさん。それにより、彼自身は大きく成長したようだ。

「自分自身、新人の中ではそれなりの数字を上げていたのですが、60人いればさらに上の“逸材”も存在します。もしあのシステムがなく、同期トップの数字や動向、レベルの高さが明確に分からなかったら、満足していたでしょうね。自分の上にいる同期への明確な嫉妬があって、向上心になったと思います」

 Kさんは有名大学を出て、就職活動も短期間で終えた。ほとんど希望通りの形で社会人のキャリアをスタートさせたという。だからこそ、入社してから生まれた他の同期への嫉妬が新鮮だったようだ。

あえて嫉妬する機会をつくる
直感的なモチベーション

 そのほかにも、嫉妬心がメリットとなったエピソードは多数聞かれた。以下に紹介していこう。

「カメラマンをやっているが、世間的に売れたカメラマンが出ると、必ず経歴を見て自分と比べるクセがあります。特に下積みが少なかったり、正統派ではない路線を歩んできたりした人に対しては、嫉妬心が湧きますね。『負けたくない』という気持ちがあってこそ、ここまで続けられたと思います」(50代男性・カメラマン)

「会社の制度が変わり、自分のデスクだけでなく、オフィス内のいろいろな場所で仕事ができるようになりました。結果、新たに同世代の社員と知り合い、その人の仕事ぶりを見るケースが増加。その中で、自分と相手を比較し、自分の物足りなさや相手への嫉妬を感じる機会が多くなりました。それが最近のモチベーションになっています」(30代男性・事務)

「他の部署の雰囲気を見て、『あそこはいいな』とよく嫉妬しています。ただ、その嫉妬があるために、自分たちの部署も同じように良い環境にしようと努力できました。嫉妬により、他の恵まれた環境を目指そうという気持ちが生まれています」(30代女性・広告)

「社会人になってから1年ほど経った頃、大学の同窓会がありました。自分の会社は同期が少なく、社内での嫉妬はなかったのですが、大学の同級生が他の企業で活躍している話を聞いて、素直に嫉妬しました。それ以来、あえて同級生と話す機会を定期的に設けて、自分が嫉妬する環境をつくっています」(30代男性・教育)

 多くの人の話を聞くと、他者や環境に対する嫉妬心がモチベーションとなり、成長につながっていたケースがあることがわかる。中には、こんなコメントもあった。