ホテルで、スーちゃんとミキちゃんが寝てる横で「つばさ」の詞を書いた

石黒 そうやって、感性のほうはみずみすしさ不変である中、女優となって仕事的にも、一人の女性として私的にも結婚、子育て、とか40年間いろいろなことがあり、状況のほうは変わってきた。蘭さんも、僕たちファン世代も、変わらない部分があって大きく変わったところもありますよね。お互いのそんな流れから、詞に込めたメッセージ性とかあるんでしょうか?

伊藤 さほど強く大上段に構えてということはないんですけれど、自然に伝わる、人へのあたたかい気持ち、というところでしょうか。

石黒 聞いてもらえる人の受け取り方としての、ですかね。

伊藤 もちろん、伝えるために詞は書いているので、作りながら常に聞き手にもなってるんですよね。それは常に意識しています。瞬時に変わるというか、無意識に近い意識で「あ、こういうふうに歌が聴こえてきたら楽しいだろうな」とか「ちょっと幸せな気持ちになれたらいいな」っていうのが、強いて言うとやってる作業だと思うんですけど。

石黒 けっこう時間はかかりますか?

伊藤 そうですね。曲によりますね。「ミモザのときめき」は割とすんなりで、そうですね。3日ほどで収まりました。「Wink Wink」が、あれこれと一番時間かかったかな。最初に作ったこともありますが。

石黒 手書きなんですか?

伊藤 はい。手で書いていって、大体まとまったら1回スマホに打ってみます。

石黒 そういえば、11年前にインタビューさせていただいた時、後楽園のファイナルライブ、最後の曲「つばさ」を蘭さんが作詞したときのことを聞かせていただきましたね。超貴重なお話でそれまでどこにも書いても話されてもいなくて、僕的にふるえました(笑)。そのあと、濃いファンの身内で話しては驚かれています。

伊藤 たしかに、初めてお話ししましたね。あのときもですが今でも、キャンディーズだけであんなに詳しく取材受けたことはないですしね。

石黒 ホテルでいつも3人一緒の部屋だったという仲の良さはファン的には有名な話なわけですが、その、ホテルの部屋で、スーちゃんとミキちゃんが寝ている横で書いたんですよね!

伊藤 そうですそうです。あの曲はレコーディングの前にライブだったんですけど、明日リハーサルで、数日後に本番みたいな状況で。「明日リハやるから、明日までに書いて」って言われて、えっ!って(笑)。でも先に渡辺茂樹さんの曲があって書き出したら、メロディーに導かれるようにすーっと、ほんとうに一晩でできました。