【伊藤 蘭インタビュー3】阿木燿子さんと宇崎竜童さんの前で笑い声も録るレコーディングは緊張しましたね

伊藤 蘭さんへのインタビュー3回目は、キャンディーズが唯一オリコン1位を獲得した、ラストシングル「微笑がえし」を作詞され、今回も蘭さんの詞を書いた阿木燿子さんの話からはじまり、レコーディングの苦労談、歌のこれからなどへ。新生「全キャン連」(全国キャンディーズ連盟)代表である、著述家の石黒謙吾氏らしい問いかけは続きます。(撮影/榊 智朗)

「曲に入れる笑い声、何パターンかやってみたんですけど(笑)」

石黒 当時のファンがしびれた作詞家の参加、森雪之丞さんに続いてもうお一人、阿木燿子さん、ですね! しかも、手がけられた曲のタイトルが「Let's・微・smilin'」。「微笑がえし」の「微」が入っていて、さすが、わかってらっしゃる!と(笑)。

伊藤 そうなんですよねー。そして、明るい気持ちになれる、すてきな詞と曲ですね。これはご本人からではなく他の方から聞いた話なんですが、宇崎竜童さんがいい曲を書いたら阿木さんが、これなら書けるわ、という感じで詞を書かれる感じだとか。

石黒 さきほどの話に出た、雪之丞さんのくしゃみじゃないですけど、この曲には蘭さんの「笑い声」が入ってますね。

伊藤 はい。これも雪之丞さんと同じように、阿木さんのリクエストで。デモを聴いたらすでに仮歌が入れてあったんですが、その時点ですでに笑い声が入っていて、え、これ、わたしが笑うんだあ? って(笑)

石黒 あの笑い声、かわいいし、とても雰囲気あるなあと思いました。わざとらしさがなくて自然体でしたし。って僕は常になんでもかんでも全肯定なわけですが(笑)。

伊藤 そうですか。ならよかったです。実は何パターンか笑ってみたんですね。ちょうど、阿木さんと宇崎さんがスタジオにいらっしゃってる時だったので、なんだか恥ずかしかったですけど……(笑)。

石黒 なんと目の前で、ですか。それはプレッシャーですね。さらに詞についてなんですが、キャンディーズでご一緒した雪之丞さん、阿木さん以外で僕が印象深かったのは、トータス松本さんの詞ですね。「ああ私ったら!」は、かなり好きな曲です。トータスさんはキャンディーズに影響受けてるって、はっきり言ってますもんね。うっすらとした記憶ですが、「キュンとくる」とか話してたはずです。

伊藤 年下の男の子と結婚した、というシチューエーションにしてくださってるんですよね。たぶん。そんなことを入れてくださって、とても楽しい歌で。

石黒 あそこぐっときました! 勝手に呼びかけられてる妄想で(笑)。そして、主人公の女性が、ドジキャラというか天然キャラというか……。これは当てはめてるのかなと。(小声で)蘭さんに……。

伊藤 あははは! どうもっ! ありがとうございますっっ! いや、ほんと笑いましたよ、詞を読んだとき。

石黒 などなどあって、レコーディングは、順調でしたか?

伊藤 1曲録って、しばらく経って、また1曲という感じで慌てずに。皆さんのスケジュールもありますし。そして、風邪引いたりしながらね(笑)。

石黒 イッキにやるとやはり大変でしょうか?

伊藤 そうですね、やはり41年空いてのレコーディングというのは……。外向きには平気なフリしてやってはいましたけど、自分で気付かなくても実は精神的にもプレッシャーだったんでしょうね。すごく。