(2)腫瘍の取り残しがあるかどうか

 前回お伝えした「断端陽性」の問題です。内視鏡で切除した組織の切断面に、腫瘍の取り残しがないかどうかを調べます。私の場合、取り残しはありませんでした。

(3)腫瘍細胞がリンパ管、または静脈に広がっているかどうか

 カルチノイドの腫瘍細胞が直腸の壁にあるリンパ管、または静脈に入り込んでいるかどうかを調べます。腫瘍細胞がリンパ管に入り込んでいれば「リンパ管侵襲あり」、静脈に入り込んでいれば「静脈侵襲あり」と判断します。これらリンパ管や静脈に腫瘍細胞が入り込んでいれば、リンパ節転移、または肝臓や肺などへの転移の可能性が考えられます。

 このように病理検査でリンパ管侵襲や静脈侵襲が認められた場合は、ガイドラインではリンパ節を含めた腸管切除手術が推奨されています。

 私は、消化器内科の医師からこう告げられました。

「悪性度も低いし、取り残しもないし、リンパ管侵襲は陰性だったんですが、残念ながら静脈侵襲が陽性でした。このままだと再発する可能性が20%ぐらいあるので、リンパ節と腸管を切除する追加手術が必要です。外科の先生を紹介しますね」

 不安になった私は「もし、手術を受けなくて再発したらどうなるんですか?」と尋ねると、「腫瘍が全身に広がって命の危険があります」と言われました。そんな状態になっていたのかと改めて驚かされました。

医師の説明を受けたら
手術の決断にためらいが…

 その後、消化器外科の医師の診察を受け、手術をすれば排便障害などの後遺症が残る可能性が高いこと、一時的に人工肛門が必要となること、再発した場合の治療は、通常の大腸がんよりも困難だということなどを知りました。担当医師はこう言います。

「自分の担当した患者で手術をしなかった人はいない」

 続けて「とはいっても、再発しない可能性のほうが高いわけですから、最終的に手術するかどうかは患者さんが決めるとよいと思います」と言われた時、私はどうすべきか悩みました。あまりにも基礎知識がないため、頭の中がいろんな疑問でいっぱいになったのです。