道頓堀地区ではドラッグストアの数がまだまだ増えており、ちょっとした不動産の空き物件が出れば「ドラッグストアで埋まる」(関係者)状況だという。

 かつて芝居の街として名をはせた道頓堀の“浪花五座”として有名な「角座」の跡地では、現在、九州地盤のコスモス薬品とホテルが入るビルの建設が進んでいるというから、まさに芝居の街から「ドラッグストア」と「たこ焼き」が道頓堀を象徴するようになっている。

 道頓堀の核だった演劇場、浪花五座は浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座だが、それも昭和から平成にかけて次々と姿を消した。

インバウンドと
浮かれているわけにはいけない

 道頓堀商店会事務局長の北辻稔氏は「インバウンドと浮かれているわけにはいけない」と話す。

 というのも、道頓堀に隣接する心斎橋、戎橋近辺は平日こそインバウンド客でにぎわうが、休日の人出も変わらないという。つまり、日本人の観光客が減っているというわけだ。

 中国人観光客に人気の化粧品や医薬品の販売も今は好調が続くが、今後、越境EC(電子商取引)が拡大すれば道頓堀で買わなくてもECで買えばいいとなりかねない、という危機感が道頓堀には潜在的にある。

 そこで、日本人観光客にコンスタントに来てもらうためにはどうしたらいいか、滞留時間を長くしてもらうためにはどうしたらいいかと考え、出した答えが「エンターテインメントの再創造」だ。

 北辻事務局長は「道頓堀は400年前に芝居の街として始まっている。浪花五座が中心となって400年繁栄し続けてきた他に例のない街。このエンターテインメント性を大事にして、もっと改革していかなければならない」と話す。