“うっかり食べ”に要注意!

 糖質制限をしているのに「なかなか瘦せない」「お腹が凹まない」と不満を抱える人もいます。
 そういう人は自覚のないまま、うっかり糖質を摂ってしまっていることが多いです。
 そんな“うっかり食べ”でもっとも多いのは、こんなふうにヘルシーなイメージにダマされてしまうケースです。

「普通のそばは糖質が多いけれど、十割そばなら大丈夫」
「塩味のせんべいやあられなら糖質が少ない」
「砂糖はダメだけど、黒砂糖やハチミツならOK」
「春雨は原料がジャガイモだと糖質は多いけれど、緑豆が原料なら問題ない」

 これらはすべて間違いです。どれも糖質の摂りすぎに直結します。

 そばの原料のそば粉は、うどんの原料となる小麦粉と同じく、でんぷんが主原料です。
 小麦粉2割・そば粉8割の二八そばも、そば粉10割の十割そばも、糖質量に大差はありません。
 十割そばでも食後高血糖が起こり、内臓脂肪の蓄積につながります。
 そもそも二八か十割かにかかわらず、「そばはさっぱりしているから糖質は少ない」と、何の根拠もない先入観から食べてしまっている人が多いです。

 甘いお菓子なら糖質が多いとわかりますが、しょっぱいせんべいやあられは糖質が少ないと勘違いすることが多いです。
 いずれも米を原料とするでんぷん食品であり、糖質をたくさん含んでいます。
 黒砂糖ハチミツ和三盆メープルシロップ、といった健康的なイメージのある甘味料も、その正体は糖質です。
 これも食後高血糖と内臓脂肪の蓄積を引き起こします。

 春雨も健康的なイメージが強めで糖質が少ないと誤解されがちですが、もやしの原料(種子)となる緑豆も主成分はでんぷんです。
 ジャガイモのでんぷんから作っても、緑豆のでんぷんから作っても、春雨が糖質過多の食品であることに変わりありません。

 次に多い“うっかり食べ”は、加工食品の落とし穴にハマるケースです。
 たとえば、魚は糖質をほぼ含まないのですが、魚のすり身を原料とする魚肉ソーセージチクワカマボコは、つなぎ(結着補助剤)として「でんぷん」や「砂糖」といった糖質を使っています。
 また、サンマの蒲焼きサバの味噌煮といった缶詰にも、砂糖がたっぷり含まれています。

 最後の“うっかり食べ”は、調味料(調理法)の落とし穴にハマるケースです。
 肉類、魚介類、葉物野菜のように糖質が少ない食材を使っても、砂糖ミリンソース甘味噌など、糖質を多く含む調味料を使って調理すると、糖質の摂りすぎにつながります。
 そもそも、ご飯に合う“甘辛い味つけ”は、砂糖やミリンをたくさん使うので、糖質が多めになりやすいのです。

(次回へ続く)