2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】#17Photo:PIXTA

今年4月から残業時間の上限規制が適用された建設業界。労働者の高齢化や人手不足が厳しかった建設各社に、「2024年問題」が追い打ちをかけている格好だ。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#17で取り上げるのは、資材高騰も相まって苦境に立たされる建設業界。倒産危険度を検証したところ、11社が“危険水域”に。かつて三洋電機の子会社だったサンヨーホームズは、ワースト6位にランクインした。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

建設業界は人件費増・資材高が直撃
特に厳しい戸建て住宅を扱う工務店

 2024年は、倒産件数が増えた年として記憶されそうだ。東京商工リサーチによると、10月までに8323件の倒産(負債総額1000万円以上)が発生している。前年同期比で17.7%もの増加率だ。

 倒産が増えている主な要因として、人手不足による人件費の増加と物価高騰を受けたコストの上昇が挙げられる。そして今回取り上げる建設業界は、まさにこの構図が当てはまるのだ。

 働き方改革に伴う残業時間の上限規制が今年4月から適用され、建築作業を担う職人の不足が顕著になった。それ以前から労働者の高齢化が問題になっていたが、人手確保のため一層人件費が上がっている。

 人手不足による作業の遅れから、完工時期の予定がずれ込むケースも増えている。工期が長引けば、それだけ費用も膨らむが、残業を繰り返して突貫で工事を間に合わせることは、もはやできなくなった。

 さらに資材高がコストを押し上げるダブルパンチで、価格が低い郊外の建築案件は特に採算が取りにくくなっている。

「地域で戸建て住宅を手掛ける工務店のようなホームビルダーは、建設業界の中でも非常に厳しい」と大手信用調査会社の幹部は打ち明ける。例えば、「999万円の家」で知られるアイダ設計(埼玉県)は、24年4~9月期の純損益が7.4億円の赤字となっている。

 ダイヤモンド編集部は今回、建設業界の倒産危険度ランキングを作成した。すると、11社が“危険水域”に入っていることが判明した。

 このうち、かつて三洋電機の子会社だったサンヨーホームズが、ワースト6位にランクインした。果たして1位はどこか。次ページでは、ワースト上位企業の顔触れを見ていこう。