大物人物は大型合併を合意に導く上で障害になる。フィアット・クライスラー(FCA)とルノーの合併計画は、他の多くの合併案よりも成功する確率が高いだろう。なぜなら両社は、いずれも過去1年に「伝説のボス」を失ったからだ。FCAの前最高経営責任者(CEO)だった故セルジオ・マルキオンネ氏は、ゼネラル・モーターズ(GM)との合併を望むと公言するなど、自動車業界の再編を強く推進していた人物だ。皮肉なことに、マルキオンネ氏が昨年7月に急逝したことが、業界の次なる大型合併に道を開くことになるかもしれない。FCAは27日、仏ルノーとの合併交渉を進めているとの報道を確認した。詳細の合併案は、物議を醸す「対等合併」の文言は使っていない。だがFCAは、両社の株式資本を50対50で合併させる前に、FCA株主に25億ユーロ(約3070億円)の配当を支払うことで、時価総額をルノーと同じ水準まで引き下げることを提案した。これは、推定50億ユーロのコスト削減効果が、双方の間で等しく共有されることを意味する。合併案のニュースを好感し、FCAとルノー株価はともに急伸した。
ルノーとFCA合併、「大物ボス」喪失が後押しか
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