『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集は「コンビニ地獄」です。加盟店オーナーの負担がにわかにクローズアップされたことで、本部はさまざまな軽減策を打ち出してきました。ですが、オーナーの不満はまだまだ渦巻いています。彼らの本音を聞いてみました。(本記事は特集からの抜粋です)
――コンビニ加盟店の負担がかつてないほどクローズアップされています。皆さんは何を負担に感じ、本部の対応をどう思っているか聞かせてください。
A氏 4月に就任したセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の永松文彦社長は、「既存店への投資を強化し、新規出店を抑制する」と記者会見で発言しました。ところがその1週間後ぐらいに、本部社員が私の店に来て、「近隣の2ヵ所で、新たな出店を考えている」と言ったんです。
B氏 いわゆる「ドミナント方式」(特定のエリアへの集中出店)ですね。
A氏 ええ。過去にも周辺で2店舗、セブンに出店されて、月の売り上げが10万円ほど下がりました。今回の出店についても、本部から納得のいく説明はありません。住宅ローンを抱えていて、大学生の息子もいるので不安です。
B氏 私もかつて、開店して3年目に本部社員から「利益が出ているし、法人化されたらどうですか?」と勧められ、社会保険にも入ったんですけど、その途端にセブンにドミナントされた。すぐに赤字になって3年間我慢したけれど、あと数ヵ月で厚生年金の加入期間が20年になるのに、諦めて再び個人経営に戻しました。人生設計が狂いましたね。