ただし、景気が力強さを欠く展開にもかかわらず、中銀が大幅な利上げ実施に追い込まれたことに加え、ルピア安を招いた資金流出の動きが金融市場の資金需給をひっ迫させ、今年1-3月の実質GDP成長率は前年比プラス5.07%に留まった。今年も政府が掲げる経済成長率目標(5.3%)実現のハードルは高まっている。ジョコ・ウィ政権2期目の船出は、決して明るいものとはなっていないのが実情であろう。

 さらに、ジョコ・ウィ政権2期目の政策運営を巡っては、上述の「宗教」の影響も無視できなくなっている。政権1期目は海外からの投資誘致拡大を目指してインフラ投資の拡充に取り組むとともに、規制緩和など構造改革を謳う姿勢をみせたものの、多くの構造改革は掛け声倒れに終わった面は否めない。

 また、国内での宗教右派の台頭に伴い、このところは外資系企業による経済活動に対する視線が厳しくなっている。ジョコ・ウィ政権の誕生を受けて活発化することが期待された対内直接投資の動きは足下で頭打ちの様相をみせている。

 今回の選挙を通じて、宗教右派の存在感が高まる動きがみられたことで外資誘致に対する反発が強まる可能性があり、そうなれば外資系企業の同国進出に向けた動きにブレーキが掛かることも考えられる。

 他方、今回の選挙戦においてジョコ・ウィ陣営は国民生活の向上や人材育成の充実など、「内向き」の政策を公約の柱に掲げたが、今後は目玉政策である「3枚のカード((1)恵まれない家庭を対象とする基礎的食料品の配給、(2)技能研修の拡充、(3)恵まれない家庭及び成績優秀者を対象とする学費及び生活費支援)」の実現に向けて歳出拡大圧力が強まることが予想される。