C‐HRとIZOAのBEV仕様は、フロントマスクのデザインがガソリン車と異なる。電池搭載量や航続距離、電動モーターの出力など性能面のスペックは明らかにされていないが、リチウムイオン電池は中国製を搭載する。この両モデルが中国用BEVのベースモデルに選ばれた理由は、中国がSUVブームのまっただ中にあり、市場でのデザイン評価が高いからだろう。なお、昨年は中国で約1000万台のSUVが売れた。現在の中国は巨大SUV市場である。

 トヨタが公開した動画を見ると、フロントに電動モーターを横置きし、1段減速で使用する方式ではないか、と推測できる。モーター直後にインバーターやコントロールユニットが置かれ、リチウムイオン電池はキャビン内の床に5列、リアシート下に3列×2段で配置される。現行プリウスはリチウムイオン電池56セルを搭載するが、C‐HR/IZOAは40セル程度のモジュールを11列、合計440セルほどを搭載すると思われる。

“ひし形キャビン”
RHOMBUSも披露

RHOMBUSオート上海でトヨタが発表した電気自動車のコンセプトカー“RHOMBUS” ターゲットは1990年代生まれの若いユーザー Photo:TOYOTA

 また、トヨタはオート上海でBEVのコンセプトカー、RHOMBUS(ラムバス、ひし形の意味)を初披露した。1990年代生まれ(中国で“チューリンホー”と呼ばれるジェネレーション)以降の若者の価値観やライフスタイルに合ったBEVであり、中国の開発拠点、TMEC(トヨタ自動車研究開発センター中国)が担当した。座席配置は1/2/1であり、運転席と後席は車体中心線上にある。2列目シートは後席へのアクセスを考えて左右ドア方向に寄せられている。この座席レイアウトそのものはすでに他社がショーモデルで提案しているが、トヨタRHOMBUSの特徴は車名のとおり“ひし形キャビン”にある。一見奇抜だが、真横から見れば前後ともにオーバーハングが短いコンパクトカーだ。

RHOMBUS座席配置がユニーク Photo:TOYOTA

 トヨタは今年3月、中国専用モデルのレビンとカローラのPHEV(プラグインハイブリッド車)を発売した。大都市で販売好調のアルファード、ヴェルファイアにもHEVを設定した。四川トヨタ汽車が製造するマイクロバス、コースターのFCEV(燃料電池電気自動車)仕様の実証実験も行われている。