米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は最近、エスカレートする貿易摩擦の行方を注視している。ジェローム・パウエル議長は4日、景気見通しが悪化すれば利下げで対応する可能性があるとの考えをほのめかした。パウエル氏は、利下げが必要になると考えているかどうかは明らかにせず、「こうした貿易問題がいつどのように解決するかは分からない」と語った。ドナルド・トランプ米大統領は関税を交渉のツールとして多用すると同時に、FRBに対しては利下げを求めている。エコノミストはトランプ政権の関税措置は経済の不透明感を高め、FRBによる年内利下げを後押しする要因になると予想している。大方のエコノミストはこれまでのところ、FRBが6月18・19日の会合で措置を講じるとはみていない。その理由の一つは、FRBは世界の指導者たちが貿易摩擦を緩和できるか見届けたいと考えているとみられることだ。特に、今月は日本で20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。