米政府はアップルのパーティーさえも台無しにした。3日開幕したアップルの年次世界開発者会議(WWDC)。ハイテク大手に対する包括的な調査の一環として、司法省がアップルの事業について調べる可能性があるとするロイター通信の報道が暗い影を落とした。そのニュースが伝えられる前、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、グーグル親会社のアルファベットとフェイスブックも、それぞれ司法省と米連邦取引委員会(FTC)による同様の調査に直面していると報じていた。アップルは報道を受けて3日の取引で約1%下落。アルファベットとフェイスブックも6%を超える下げを演じた。こうした報道が投資家を動揺させる理由は容易に想像がつく。与野党問わず、政治家の間でハイテク大手が不人気なことを踏まえるとなおさらだ。だが、反トラスト問題を監督する2つの政府機関による奇妙なアプローチは、答え以上に疑問をもたらす。WSJによると、司法省とFTCは、アップルとグーグルについては司法省が、フェイスブックとネット小売り大手アマゾン・ドット・コムについてはFTCがそれぞれ管轄することで合意した。これはつまり、収益の大半をネット広告から稼ぐ2社が、2つの異なる政府機関から調査されることになる。
米ハイテク大手見舞った「奇妙な審判の日」
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