世界各地に大挙して押し寄せる中国人旅行客は、中国政府にとって手軽に利用できる経済的な武器となっている。米国に対する威力はそれほどではないかもしれないが、それでも教育産業や高級品業界などにある程度の一撃を加えることができるかもしれない。複数の中国省庁は今週、国民に対し、米国への旅行や留学を考え直すよう注意を促した。その理由として、米国による査証(ビザ)発給の拒否や、銃撃事件や窃盗の頻発を挙げている。だが本音は明らかで、貿易を巡り米国に圧力を掛けるための動きである公算が大きい。全米旅行観光局(NTTO)によると、米国への外国人訪問客のうち、旅行支出が最も大きいのは中国だ。中国は以前にも、海外に旅行する国民を「武器」に使ったことがある。彼らの旅行関連支出額は昨年、1億6200万ドルに上った。韓国メディアによると、中国政府は2年前、韓国への団体旅行を一時的に禁止したことがある。韓国が米国の防衛ミサイルシステムの配備を決定したことに対する抗議だった。その結果、韓国への中国人旅行客は2017年に48%減少した。
中国人「訪米自粛」、米大学や高級ブランドに打撃も
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