欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は5日、イタリアに対し財政赤字の圧縮を要求し、従わなければ財政規律違反で制裁を科す構えを示した。ただ、金融市場からの厳しい圧力にさらされない限り、イタリアのポピュリスト(大衆迎合主義)政権が欧州委の要求に応じる可能性は低いとみられている。イタリアと欧州委は半年前にも予算案を巡り対立し、危機的状況を回避したばかり。イタリアは債務拡大に歯止めがかかっていないにもかかわらず、歳出を拡大する方針を示しており、欧州委と同国の対立が再燃している。イタリア政府はEUから主権を取り戻すことを掲げており、EU財政規定に縛られない経済政策を策定している。イタリア政権は政治的な脅しには動じていないもようだが、金融市場の反応次第では、政府に対しより大きな影響力を持つ可能性がある。ただ金融市場は今のところ、昨年のような売りは浴びせていない。
欧州委がイタリアに制裁警告、財政めぐり対立再燃
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