フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が仏ルノーに経営統合を提案した4日後、フランスのブリュノ・ルメール経済・財務相はFCAに電話し、同国はいかなる案件も強制されないと伝えた。同相はFCAがこの提案に「交渉の余地はない」と考えていると伝える国内紙の記事を読み、憤慨していた。世界の政財界のリーダーが集うビルダーバーグ会議に出席していた同相はFCAのジョン・エルカン会長に対し、フランスに交渉の余地がない案件はないと述べた。この通話は、世界の自動車業界を揺るがせるエルカン氏の大胆な計画が、本人の予想より多くのハードルに直面した証拠だ。同氏は将来の統合先であるルノーに加え、フランスや日本の敏感な国民感情もなだめる必要があると知った。ルノーと長年にわたり提携している日産自動車にとっては、もっと早くに知らされなかったことが不快だった。