
CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)とは、どのような役割を担う存在なのか。その輪郭はいまだ曖昧で、企業によって期待される役割も大きく異なっている。そこで私は、CDOに求められる人物像を整理するために、「深さ・幅・高さ」という三つの軸から仮説を立ててきた。今回取り上げるのが、最後の軸である「高さ」である。「高さ」とは、単に視座を上げることではない。デザインを経営の意思決定にどう関与させ、企業の進む方向性を定める力として機能させられるか。その条件を、一連の対話を通じて整理していきたい。
デザイナーの視座は経営にどう貢献するのか
CDOに必要とされるのは「深さ・幅・高さ」の三つの軸である──。それが、連載当初に私が立てた仮説だった。
企業の経営者やデザイン責任者との対話を重ねる中で、その仮説が大きく間違っていなかったことは確認できた。しかし同時に、それぞれの要素が、当初の想定以上に重みと奥行きを持つものであることも明らかになってきた。
特に「高さ」という軸は、単にデザインの視座を上げるという以上の意味を持っていた。対話を通じて見えてきたのは、デザインを経営の文脈で扱い、企業の進む方向そのものを定義する力として機能させる視座の存在である。
今回は、CDOに求められる三つ目の要素である「高さ」について、一連の対話から私が学んだことを整理してみたい。
対話を重ねる中で私が改めて確認したのは、高い視座を獲得することで、経営の方向性そのものをデザインの方法論によって定義できるようになるという点だった。デザインは、与えられた課題に応えるための手段にとどまらず、企業がどこへ向かうのかを定めるための思考の枠組みにもなり得るのである。








