予期せぬ事態を逆手に取り
場の空気を盛り上げるべし

 いざ宴会を始めるとき、幹事として最初の仕事は、立ち上がりをスムーズに行えるかどうかだ。

「入店してから席について、最初の注文をして一段落するまで、結構バタバタして時間がかかりますよね。でも、デキる幹事はこの流れをもたつかせず、すぐに皆を落ち着かせることができるもの。そのため、最初の食べ物のオーダーに関しては、皆であれこれ意見を出すより、幹事がひと言、『ここは自分に任せてもらえますか?』と引き受けてしまいましょう」

 こうすることで、素早く落ち着いた時間を提供することができる。皆が満足するセンスの良い料理をサッと選ぶためにも、事前の来店リサーチは欠かせないということだ。

「序盤さえ乗り越えれば、幹事が張り切る場面はいったん終わり。あとは店側に任せて、思わぬトラブルが起きた時にだけ、うまく立ち回ればOKです」

 頼んだメニューと違うものが届いた、飲み物をこぼしてしまった、店員の態度が悪かったなど、宴席でのトラブルは枚挙にいとまがない。こうした予期せぬ事態にスマートに対応できれば、ビジネスでも同じように動けることをアピールできる気もするが、檀さんいわく、「スマートな対応はそれほど重要ではありません」。

「難なく問題を解決できれば、仕事もデキるという印象を持たれるかと思いますが、より強みを出したいなら、臨機応変に場の空気を変えられるところを見せた方がいいですね。例えば、店員側のミスなら、『なんでこんなミスが起きるんですかね?』と話題にすることで、『別のテーブルと間違えているのでは?』、『新人なのかもしれない』など、それをきっかけとして会話を弾ませることができます」

 店員のミスで場の空気が盛り下がっても、こうして会話に花が咲けば、自然と誰もがミスのことを気にしなくなるというわけだ。

「頼んだメニューと違うものが届いたときも、『大丈夫ですよ』と笑うのは簡単ですが、ビジネスの場であるなら、少し意地悪なジョークを言ってもいいかもしれません。鋭いコメントができる人は、仕事でも頭が切れる人だと思ってもらえるからです」

 ただし、嫌みな人という印象を与える恐れもあるので、これは上級者向けのテクニックかもしれない。