リンクアンドモチベーションで組織人事コンサルティングを手がける麻野耕司氏は、書籍『THE TEAM 5つの法則』のヒットでも知られる。同氏は「残業時間の減少」が「社員の士気向上」につながっておらず、真の「働き方改革」は実現できていないと指摘する。日本企業は何をすべきなのか。

残業が減っても社員の意欲が高まらない日本企業の悩み

残業は減ったが
働く意欲は上がっていない

 日本は経済成長という面において、平成の30年で他国から大きな遅れをとりました。そして、日本の労働力人口は今後さらに減少していくことが予測されます。経済を維持・成長させるためには、今までよりもはるかに高いレベルでこの国で働くひとりひとりの能力を引き出していく必要があります。

 そんな中で、2019年4月に「働き方改革」関連法案の一部が施行されました。私たちは、日本企業のデータ分析や「日本株式会社人事戦略委員会」でのディスカッションを通じて、日本企業への提言書をまとめました。一言でいえば、「働き方改革」を進化させなければならないということです。

 では、どのようなポイントで進化させなければならないのでしょうか。