働き方改革の根強い誤解、「とにかく休め」「仕事を効率化しろ」では始まらない
4月から働き方改革へと踏み出した日本の企業社会。しかし、その多くはいまだ試行錯誤のさ中にいる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

4月から働き方改革へと踏み出した日本の企業社会。しかし、その多くはいまだ試行錯誤のさ中にいる。そもそも働き方を改革するとは、どんなことなのか。数多くの企業に働き方改革の導入支援を行ってきた、株式会社テレワークマネジメントの田澤由利代表取締役が、悩める企業にアドバイスを送る。

強制的に「休ませる」は
本当に働き方改革か

 今年4月、「働き方改革関連法案」が施行された。「平成」と「令和」では、働き方が大きく変わることになるだろう。この機会に、改めて「働き方改革」とは何かを考えたい。

 厚生労働省のホームページでは、「働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」の実現のための改革とされている。長時間労働をなくし、場所や時間に対して柔軟に、公正な待遇で働けるよう法律を策定し、改革を進める。

 もちろん「働く方々のため」が大前提であるが、生産年齢人口が減り続ける日本においては、「より多くの人が働けるようにすること」「より短い時間で成果を出せるようにすること」は、企業の将来にとっても重要である。しかし、残業を削減し休みを増やすだけでは、企業の生産性に影響を及ぼすことも事実だ。これは「働き方改革」を推進する企業担当者の悩みでもある。

「働き方改革」の推進において、企業も社員もハッピーになるために、企業の担当者に筆者がどうしても伝えておきたいこと、それは「休む」だけでなく「柔軟に働く」選択肢の重要性である。

 4月半ば、三菱UFJ銀行が男性行員の1ヵ月育児休暇取得を「上司に強く促す制度」を導入するというニュースが流れた。大手銀行が「男性の育休取得に本気で取り組む」と、賞賛の声があがった。確かに、全員に育児休暇を取らせる制度はインパクトがある。

 筆者も、男性が育児休業を取得することは、もちろん賛成だ。男性が赤ちゃんの世話をすることの大変さを体感すること、そして子どもと過ごす時間を増やすことで、これまで女性ばかりにかかっていた負担を和らげ、夫婦が共に育児をする基盤をつくることができる。女性だけが子育てを担い、一方で「女性も働こう」では、子育てと仕事の両立は難しく、少子化と労働力不足に拍車をかけることになる。男性の育児休業取得に、日本の未来がかかっているといっても過言ではないだろう。