経営×経理

 いわずもがな、研修は仕事に落とし込まれて、やがてアウトプット→アウトカムがなされてこそ、価値があります。現在の研修制度を精査し、もしも機能不全であれば、そもそもの必要性を経理部の皆で議論しながら、現場で活躍する経理パーソンの意見を反映した内容にするか、社内で企画した研修などは廃止し、個々が申請して研修費用を補助するような方法を取り入れることも、選択肢として挙げる必要があるでしょう。

 極論ですが、研修費用対効果を考えないような経理パーソンは、そもそも資質が疑われるべきだと考えるべきなのです。

【ポイント2】 
経理部が当事者意識を
持ってテーマ選定する

 さて、自社で活躍する経理パーソンにとって、必要性が大きい研修テーマは何でしょうか。簿記・税務や管理会計、IFRSなど、専門性を高めるための研修は経理パーソンにとって普遍的ですが、経理部内でのポジションがいくら同じでも、知識レベルが異なることは十分にあり得ます。皆が同じ内容の研修を受けさせるようなスタイルは、避けるべきでしょう。

 また、昨今はコミュニケーション能力やデータ分析力がトレンドになってますが、あまりに一般的すぎる内容であれば、受ける側もマンネリ感を抱いてしまうのは当然でしょう。そもそも、今後経理仕事のほとんどが自動化されるなど、大きな変革が生ずると予想される世の中で、期待される経理パーソン像は「これ!」というものへ絞り込みにくいはずなのです。

 そこで、望ましいテーマの選定方法ですが、最近話題性のあるものばかりを上司側が押し付けるのではなく、経理パーソン自身が今後必要だと思われるテーマをアンケート形式で募ったり、経理部内のミーティングなどで意見交換をしたり、受講者側の声をすくい上げるようにしたりすれば、定番であっても押しつけ感が払拭されるでしょう。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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