台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)は11日、必要であればアップル向けの生産を中国から移管する用意があることを明らかにした。1991年の上場以来初となる投資家向け会合を開いた鴻海は新たな経営体制への移行の青写真を示すと共に、米中貿易摩擦を巡って深まる投資家懸念の払しょくに努めた。創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は台湾総統選への出馬に専念するため董事長から退任する予定で、後継者による新体制づくりが焦点になっている。ただ、台北近くの本社で開催した投資家会合では、激化する米中の対立と、鴻海の事業への影響が議論の中心となった。鴻海にとってアップルは最大顧客で、主に中国で行うアップル製品の組み立てが事業の核となっている。