相鉄グループ、パナソニック、中川政七商店、黒木本店、尾鈴山蒸留所、久原本家 茅乃舎、そしてくまモン……
様々なブランドを大ヒットに導いてきたクリエイティブディレクター・水野学氏。
さぞや忙しいのでは、と思われがちだが、実は毎日8時間睡眠のゆったりした生活を送っているという。
それは独自の時間の使い方があるからだ。
いったいどうしたら、多くの仕事を抱えながら、焦らず、慌てず、余裕のある生活ができるのか?
水野学氏の著書『逆算時間術』(ダイヤモンド社)から探ってみたい。

メディア情報を鵜呑みにするのは思考停止のサイン!? 自分だけの正解を見つけるための「魔法の呪文」とは?Photo: Adobe Stock

当たり前を疑ってみる

 本質をつかむ、という意味では、「疑ってみる」ことの大切さがあると感じています。「本当にそうなのか」と疑ってみる。世の中では当たり前とされているけれど、実際には違うのではないか、と考えてみる。

 それが案外、解決の早道になったりするのです。そして、アイデアを考えるときやディスカッションの時間の短縮につながります。

「素直な人ほど成長が早い」。これは、自分の周りを見ていて強く感じることです。素直さはとても重要な資質です。ただし、それとは別の話として、受け取った情報に対し「他の角度から見たらどうだろう」と考える習慣を持つことも、とても重要だと感じています。

 親に言われたことや友人に言われたこと、またメディアで報じられたことなどを、それだけが真実だとすんなり受け入れてしまう。もっといえば、自分が思っていることも、間違いなく正しいと思っている。そうなると、見える景色はだいぶ狭まってしまいます。

 実は僕は、基本的にいろんなものに対して、疑ってかかっています(笑)。テレビを見ていても、一人でブツブツ言っています。

「本当にそうかな?」
「えー、それは言い過ぎじゃないかな?」

 バラエティ番組ですらそうなので、たまに、一緒にテレビを見ている息子から「ねえ、ちょっと黙ってて」と言われる始末です(笑)。

 本を読むときも、いちいち引っかかってしまいます。いや、これは単純化しすぎでは?言いたいことはわかるけど、ここの言い回しを変えた方が伝わりやすそうだな……。

 めんどうくさい人だな、と思われてしまうかもしれません。でも、結構大事なことだと思っています。なぜなら、一度自分の中で咀嚼(そしゃく)してみるということは、その分だけ、たくさん考えているということだから。

 本当かな? と疑問に思うと、自然と、考えることになるのです。ただ受け入れるのではなく、考えるから、インプットされるのだと僕は思っています。

 もっと言えば、何かに引っかかるということは、問題を発見することです。つまり、問題発見の訓練にもなる。

 そこに対し、「じゃあどうすればいいのか」と考えることで、問題発見と問題解決を、日常的に繰り返す癖がついていきます。

 無理をしているわけではありません。案外、面白いです。世の中が、ツッコミどころ満載であることにも気づける。そして仕事において、実は思わぬところに問題の根っこが潜んでいることに気づけたりする。

「本当にそうかな?」と一度自分の頭で考えてみる。その習慣は、問題発見、問題解決のスピードを間違いなく早めてくれると思います。

※本稿は、『逆算時間術』水野学(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集して掲載したものです。