医学部進学は、昔からエリート街道における王道中の王道だった。

 理系学部の偏差値を高い順に並べると、今も昔も医学部が上位にズラリと並ぶ(次ページ表参照)。国公立大学トップに君臨する東京大学の理科三類は、同大学の医学部ルートである。

 それでも私立大学の偏差値表を見ると、1992年は慶應義塾大学早稲田大学の理工学部がもっと上の方に位置していた。2018年現在の理系トップクラスの偏差値の大学は医学部でほぼ埋め尽くされている。

 親世代が受験したころはもっと入りやすかった私立大医学部の偏差値がつり上がったからだ。私立大医学部の学費値下げによって一般家庭でも何とか払えるものとなり、受験生の層が広がっていった。

 ではこうしたマンネリ状態のまま、日本のトップクラスの頭脳が医学部に吸収され続けていくのか。