親世代の学生時代、私立法学部であれば中央大学、大学単位では立教大学が「MARCH」の序列トップだった。対して現代の学生は「何となく」明治大学を選ぶ。この「何となく」の正体は何なのか。
オープンキャンパスで各大学に足を運ぶと、明治は交通の便のいい都心に高層キャンパス「リバティタワー」を構える。かつてのバンカライメージはまるで消え、開放的で現代的で華やかな雰囲気が、勉学、研究においてもキャンパスライフにおいても、高校時代とは異なる新しい世界に導いてくれる期待感を醸し出す。
結果、現代の学生は「やっぱり明治がいい」となるのである。
「イメージ大学」とやゆされることもあるが、「何となく」イメージを大転換できたわけではない。その裏にあるのは、飽くなき改革だ。
都心高層ビルというハードが人気を集め、時代に合ったソフトとしての学部を構成する。学生の動機が何であれ、それが向学心を駆り立てるものとなっているならば、結果オーライだ。
23区規制が阻んだ
都心最大規模のデータ学部開設
東京23区内の入学定員規制では、MARCHの中で都心回帰が遅れた中央の移転が間に合うかが注目されたが、実はその裏で明治も泣いていた。
明治大学学長の土屋恵一郎は一昨年、東京都中野区にある中野キャンパスに都心エリア最大規模の「データサイエンス学部(名称未定)」を開設することを学内で宣言した。AI時代へいち早く、対応しようとしていたのだ。