高校生の娘と親子どもを留学させたいと考える親は増えていますが、きちんと蓄えを作れていない親は少なくないようです Photo:PIXTA

 グローバル化が急速に進む今、子どもを留学させたいと考えている親は、意外と多いようです。家計相談の場面でも、子どもの進路や教育費について話をするとき、「留学」を視野に入れて準備したいという話が出ることも増えてきているように思います。

 海外留学では、毎年まとまったお金が必要になります。留学先の国や期間などで異なりますが、平均で年間300万円ほど、それ以上かかるケースもよくあります。年間300万円ともなると、その費用の捻出は決して簡単ではありません。

 実際、毎月なんだかんだと支出がかさみ、蓄えが思うようにできないご家庭が多く、いざ「子どもが留学する」というときに資金が不足することも。そして、ローンを組んだり、奨学金を借りたりして何とかしようとしますが、のちのち借金が家計に大きくのしかかるケースもあります。

 一番良いのは、留学を見越して計画的にコツコツ蓄えを作ることなのですが、それもまた難しいことのようです。

夫婦共働きで月収70万円なのに
毎月の貯蓄額は6万円だけ

 会社役員のRさん(50)ご夫婦も、お子さんの留学費用を捻出できず困っていました。Rさんのご家庭は、Rさんと奥さん(47)の共働きで、毎月70万円ほどの収入があります。裕福なご家庭のように感じますが、実はそれほど家計に余裕がある状態ではありませんでした。

 高収入である一方で支出も大きいため、毎月の貯蓄額は6万円ほど。収入のほとんどを使い切っているといってよいでしょう。そしてボーナスについては、Rさんは会社役員のため支給がなく、奥さんは年間40万円ほどもらっている状況です。