フルリモートで
月平均20万円以上の給与

「働いているボリュームは通勤しているオフィスワーカーと同じなのに、記事を1つ書いて数円、数十円。それを頑張って積み上げても月数万円。報酬が低い上に、社会保障、福利厚生も受けられない。職場が自宅になっただけで生じる不利益を是正したい思いで中川が起業した」(取締役CSOの森岡由布子氏)

 クラウドワーカーの待遇改善には、契約者から支払われる報酬を上げる必要がある。そのためには仕事の品質向上が不可欠。そこで、キャスターでは採用時に書類選考や面接を行い、1/100もの採用倍率をくぐりぬけたアシスタントのみが在籍。採用後もオンラインで手厚い研修を実施する。

 その後、仕事に入ってからもオンライン上で先輩がOJTで付くなど、人材を徹底的に強化。品質の高さで差別化を図り、高報酬につなげている。結果、同社でキャスタービズを担当する社員は月平均20万円以上の給与を手にすることができ、社会保障や福利厚生も一般企業並みに享受できている。

 フルリモートであることは、育児や家事、介護などに追われる女性にとって実に好都合だ。実際に同社で働く女性社員の1人は、毎朝、1歳の子供を近くの保育園に預け、そのまま自宅に戻りノートパソコンで仕事。昼は食事を取りつつ余った時間で夕食の調理や家事をこなし、仕事が終わったら子供を迎えに行く。「通勤時間がない分、仕事や家事ができて心の余裕も生まれる。育児は男女均等が望ましいが、ワンオペ育児をしている母親も多いのが現状。フルリモートでなければ自分の生活は成り立たなかった」と話す。

 少子高齢化で、今後働く人が減っていくことは目に見えている中、シニア層、外国人と並び、女性の活用は待ったなしの状況。働く女性を支援する新手のアプローチは、今後も続々と出てきそうだ。

(大来 俊/5時から作家塾(R))