香港では、恣意的な逮捕や中国本土への容疑者移送を可能にする逃亡犯条例改正案に抗議する大規模なデモが行われた。1997年の英国から中国への返還の際、香港市民らは「高度な」自治権の享受を保証された。しかし、その「高度」は下がり続けている。香港から500マイル(約800キロ)北東に位置する台北では、台湾市民らが香港での争いの行方を注視している。香港の状況は彼らにとって、中国との「再統一」がどんなものになるかを暗示するものだ。そして、米国にとっては、民主主義の戦略的同盟相手を東アジアのスターリン主義大国のなすがままに放置すれば、将来何が起きるかを物語っている。中国の海岸線から100マイルに位置する台湾、正式名称中華民国は、中国の共産主義革命に敵対する勢力によって1949年に創立された。台湾における対立政党間での平和的な権力委譲の歴史は、中国の独裁政権にとって永続的な恥辱だ。それは台湾の富も同様だ。台湾の1人当たり域内総生産(GDP)は中国の2.5倍に上る。
【寄稿】台湾の重要性、米国は今こそ考えよ
台湾の市民は香港デモの行方を注視している
有料会員限定
あなたにおすすめ