経営再建中の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)の金融支援の枠組みが決まらない。台湾・中国の企業連合は崩壊しつつあるが、新たなスポンサー探しには不透明感が漂う。交渉が長引けば、資金繰り懸念が再燃しかねない。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
「TPKの離脱は大きな問題ではない」――。6月17日午後と翌18日朝の2回に分けて、ジャパンディスプレイ(JDI)への出資のために設立された「Suwaインベストメントホールディングス」の名義で突如発表された声明文。18日の株主総会前の発表とあって株主の不安を打消す狙いが滲んだが、JDIの金融支援の枠組みが崩壊の危機に直面する中で、無理のある主張だった。
台湾勢離脱で資金不足に
JDIは再び崖っぷちに立たされている。
発端は6月14日夜。台中3社連合「Suwaコンソーシアム」で最大の投資家になる予定だった台湾の宸鴻光電科技(TPK)から出資を取りやめるとの通知がJDIに届いた。TPKに足並みを揃えてきた台湾勢の富邦グループも離脱は確実で、このままでは金融支援に大きな穴が開く。