「老後2000万円報告書」をめぐる対応では、与党自民党の選挙戦略が無策に映る Photo:JIJI

与党は本当にこのままで選挙に向かうのか?

 通常国会が終盤に差し掛かり、週末には主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)が大阪で開催され、来月には参議院選挙が行われることが予想される政治日程だ。現状では、衆議院解散から衆参同日選挙は安倍晋三首相の「頭の片隅にもない」とのことなので、このままの日程で淡々と進行するのだろうか。

 そうなのだとすると、与党の選挙戦略があまりに無策でいささか意外だ。今のところ、「老後2000万円報告書」の問題は政府側が悪い印象になっているが、麻生太郎財務大臣をはじめとする与党側の重鎮は責任を認めて陳謝するばかりで、「攻められるまま」の状態だ。

 また、先般閣議決定された「骨太の方針」では10月の消費税率引き上げが明記されていて、このままの状況では、与党側が消費税率引き上げ、野党側が消費税率引き上げ反対だとの対立軸ができそうで、この構図は少なくとも与党に有利とは思えない。

 外交も成果が出ているとは言い難い。ドナルド・トランプ米大統領の意を汲んだかたちで安倍首相がイランに行ってみたものの、その最中にタンカーが攻撃されるような状況で、率直に言って格好悪く帰ってきた。週末には大阪でG20があって日本が議長国だが、この規模の大会議で目覚ましい合意ができるとも思えない。無事に済めば上々というくらいのものだろう。

 また、政治の大まかな常識として、「政権は解散によって強くなり、(内閣)改造によって弱くなる」と言われる。一度吹いたとされる「解散風」がやんで解散が見送られた現状は、安倍政権の弱体化につながっているはずだ。