サミットのテーマにおける
日本と中国の共通の認識

 米国が主な貿易パートナーに対して貿易紛争を引き起こした結果、国際貿易環境は悪化し、一部の国は米国の後を追い保護貿易主義に舵を切っている。この影響を受け、世界経済の成長、貿易の成長、直接的対外投資の成長はいずれも近年来最低のレベルまで低下している。

 中国は各種の国際的な場面で絶えず声を上げ、各国が保護貿易主義を抑制し、自由貿易と経済のグローバリゼーションの成果を守ろうと呼び掛けてきた。

 今回のG20サミットにおいて、米中両国の首脳は直接対話を行い、貿易問題について協議を行う予定だ。同時に、中国はサミットの中で、その自由貿易とグローバリゼーション問題に関する自身の考えを主張し、各国と共に世界的な貿易悪化を改善するため、共同で声を上げることを望んでいる。

 実際に、G20の参加国の中で、世界的な貿易環境の悪化に深刻な憂慮を示す国は少なくない。少し前に開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議では、保護貿易主義の抑制について共同声明に書き入れる提案がなされたが、意見の一致をみることができなかった。しかし、大部分のG20の参加国は、貿易戦争の悪化を回避するという点においては、中国の意見と一致していることは疑いない。

 日本は輸出大国だ。対外輸出は日本経済の成長にとって重要な意味を持っている。世界貿易の成長低下は、日本にとっても大きな圧力となっている。もし米中貿易が引き続き悪化した場合、米中の間に挟まれた日本経済は深刻な状態となる。日本もG20サミットの機会に、各国間の緊張した経済・貿易関係を緩和したいと望んでいるはずだ。

 日本は主催国として、議案日程の作成により各国が共同で声明を出すことを促すことはできるので、さらに積極的な役割を果たしうる。安倍晋三首相は、サミット参加国が団結して貿易戦争の悪化に対応し、WTO改革で共通の認識に達するよう促し、世界の貿易体系の基礎を打ち固めたいと提案している。

 この面において、日中両国の訴えと需要は一致している。今年の5月、中国はWTOに対し「世界貿易機構の改革に関する提案書」を提出し、4種の提案を行った。(1) WTO生存に危険を及ぼすキーポイントと緊急問題の解決、(2) WTO世界的管理における相関性の増加、(3) WTOの運営効率の向上、(4)多国間貿易体制の包容性増加――である。

 現在、世界貿易は楽観できない情勢にある。各国間の意見の不一致も少なくない。今回のG20サミットで各国間の貿易紛争を緩和することは簡単ではない。この難しい局面に当たり、世界の貿易体系が深刻な破壊を受けることを避けるためにも、グローバリゼーションが後退しないためにも、各国は一層団結し協力を密にすることが求められる。

 G20こそが、グローバル時代を代表する国際組織であり、グローバル化が深刻な挑戦を受けている今日、G20の各国が共同で声を上げるのも本来の仕事であろう。

※『東方新報』は、1995年に日本で創刊された日本語と中国語の新聞です。