米国に通商合意は必要ないと米政府は言う。中国にも必要ないと中国政府は話す。いずれの主張も実際は本当ではない。合意は高望みかもしれないが、今回の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせてドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席が行う会談では、休戦が理にかなった選択だろう。両国経済は貿易紛争で既に継続的な打撃を受けている。連邦準備制度理事会(FRB)の調査によると、5月の関税引き上げで各家計の負担は年間831ドル(約9万円)増えた。フィッチの試算では、トランプ氏の警告通りに中国からの輸入品3000億ドル以上に追加関税が課されれば、2020年の中国の成長率は0.6ポイント下押しされる。米国の成長も0.4ポイント減速する。
米中首脳、瀬戸際から後退せざるを得ない事情
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