「今年の先に来年がある」
と考える経営者に将来はない
小宮コンサルタンツ代表
コンサルタントの重要な仕事の一つに、会社の経営戦略の立案支援があります。立案を成功させるポイントは、経営者が10年後を見据えた経営戦略を構築できるかどうかにあります。確かに、ピーター・ドラッカーが「未来は誰にも分からない」と言っているように、どんなスーパー経営者であっても10年後を正確に見通すことは不可能です。しかし、それでも10年後を見据えた事業構想が必要なのです。経営者は、「誰にも分からない」ながらも、未来を読み解き、それに応じて自社を変えていく努力をしなければならないのです。
経営戦略を立てる場合、まず自社の存在意義を示す「ミッション」や、将来のあるべき姿である「ビジョン」、行動規範となる「理念」を明確にし、外部環境と内部環境という2つの視点から環境分析を行います。外部環境は社会の流れ、経済情勢の変化、ライバル企業の動向のような自社ではコントロールができない環境を指します。内部環境はヒト・モノ・カネといった自社でコントロールができるもののことです。外部環境分析によって自分たちの市場がどこにあり、将来どうなるかが明確になり、内部環境分析によって自社の強み・弱みが理解できます。